エジプト文明にも重宝された「ホーロー」のすごさとは
<5回シリーズ>
こんにちは、河合工務店です。
キッチンの壁に、油性ペンで赤い丸を大きく塗る。
しかし、霧吹きで水をかけると、インクはすぐに流れる。
「ホーローだからです」と、
タカラスタンダード東京支社販売部販売1課の
敷田真衣さんは笑う。
新宿ショールームで説明するこの人は、
同社初の女性販売員にして、河合工務店担当者である。
<ホーローの特性を解説する
タカラスタンダード販売部の敷田真衣さん>
この大手住宅設備メーカーの最大の特徴は、
システムキッチンやシステムバスなどに、
世界トップクラスの技術で自社製造した
「ホーロー」を使うことだ。
そもそも、どんな素材なのか。
「鋼鉄に、ガラスを焼き付けたものです。
鉄の丈夫さ、ガラスの清潔さの、
いいとこ取りしています。
表面がツルツルのガラスだから、
油汚れがすぐに落ちる」。
次々と実演してくれる。
まずは、耐火性。
「壁を、バーナーで燃やします…
黒くなりましたが、焦げてません。
ススがついただけ。
布巾で拭えば…ごらんのとおりキレイに」。
そして、丈夫さ。
「このブラシで、ゴシゴシこすって洗います。
固いブラシなので、イヤな音がしますよね。
でも、ぜんぜん傷がつきません。
触ってみてください(無傷だと確認)。
次に、このホーローパネルを、
木槌で思いっきり叩いて…
(言われたように2、3回ドンドンと)…
へこんでも元通りに(ゆっくりと平らに)」。
驚異のタフさだなぁ…と思う。
「ちなみに世界最古のホーローは、
ツタンカーメンにも使われています」。
エジプト文明3000年の時にも堪え得る素材なのだ。
<ホーローパネルをボード代わりに、
ホーローの断面を説明。「C」は鉄層内の炭素>
「もっとマニアックな話なんですが…
ホーロー鍋って、ありますよね。
これは、地が鉄ではなく土。だから割れやすい。
でも、わが社のホーローは、鉄だから頑丈な上に、
特殊技術で、熱に強い構造に。熱せられた際、
鉄内の炭素が表面に浮き上がって
ガラスを割らないよう、炭素自体を除去しています」。
その構造を、ホーローパネルに、
赤いマジックで図示。
「あっ、ホーローって、ボードにもなるんですね」と、
思わず指摘してしまう。
「おっしゃる通りです!」
と答える敷田さんの声が凛と響く。
(文責/ライター上田隆)
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