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初代の戦争体験の語りが、社会活動のきっかけ

【初代のこと4-3】

<4回シリーズ>

こんにちは、河合工務店です。

 

〈仕口を削る初代の手。ごつごつした指に、

職人としての風格漂う〉

||インタビュー 孝会長、初代を語る||

「あの戦争さえなければ、道具が焼けなかったのに」。

これが親父の口癖だった。

空襲に備えて土に埋めたが、焼夷弾の火事で

焼けてしまったね。

ノコギリ、カンナは金属だから火に弱い。

砥石をダメにしたのは、ひどくこたえていた。

「あれだけいい道具をつくる職人は、

もういない」と嘆いてたな。

若い頃、親父からそんな話を聞いて、

戦争について、いろいろ考えるようになった。

アジアで、日本で、

膨大な犠牲者が出たことを後で学び、

衝撃を受けた。

それで、戦争や貧困のない社会を

つくりたいと思って。

結婚する前、27、8歳の頃は、社会運動をやっていた。

真面目に働いても報われない人、

貧困から抜け出せない人などを目の当たりにして、

社会の矛盾を感じ始めてね。

東京土建の組合活動にも参加して、

職人の地位向上を目指す運動もやった。

親父は、そのことについては何も言わなかった。

こちらにしても、活動で夜遅くなっても、

朝寝過ごして、仕事に遅れるというちょんぼは

絶対にしなかったしね。

一本立して、オレが社長になってからも、

あれこれと口出しすることはなかったなぁ。

(聞き手/ライター上田隆)

 

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