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鳥の声、風の音に耳を澄まし、自然とともに生きる家

【建主訪問1】杉並の塔の見える家4

<4回シリーズ>

こんにちは、河合工務店です。

会話が途切れてNさんは

「冷たい飲み物はいかが?」と席を立つ。

静けさが、場を覆う。

窓から、陽射しを浴びる庭の緑が揺れて心安らぐ。

都心にある住宅街とは思えない。

「この家の空気、きれいでしょ。

匂いに敏感になるんです。

花やコーヒーのいい香りなど…。

反面、お客さんが来られたとき、

服に染み込んだ洗剤の品名も分かってしまう」

と話すNさん、

七宝作家らしく、鋭敏な感性で自然の移ろいを

家の中で感じ取っている。

「音楽は好きですよ。

でも聴きながら、何かするのはだめ。

鳥の声、風の音、葉擦れの音の、

一瞬一瞬を聞き逃すようで、もったいないからです」。

<Nさんの手がける七宝作品>

今も続くコロナ禍の生活で思うことは。

「出かけることが少なくなりました。

ここで静かに本など読んでいると、

こんなに幸せにしてていいのかなぁと。

家にいることは、ストレスにならない。

それは本当に感謝しています。

家に関しては後悔することは一切ありません。

もし、同じ土地で、もう一回つくることなれば、

同じつくりにするでしょう」。

これから家づくりする人に、

アドバイスするなら。

「一ぺんに全部つくり込むのではなく、住んでみて

『こうしたい、ああしたい』と思ったことを、

少しずつやってみてもいいかも。

とくに家回りなどは」。

昨年、Nさんは、庭師を入れて、庭を少し整えた。

木にかけた小屋に、野生の鳥が住まい、

下につくったささやかな小池に、その鳥が水遊び

するという。

<庭につくった小池。時々、鳥が遊ぶ>

<手入れした庭の様子/ Nさん撮影>

(文責/ライター上田隆)

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