初代に、無理やり大工を継がされて
2021年04月22日
初代のこと
初代のこと4-1】
<4回シリーズ>
こんにちは、河合工務店です。
初代の故・河合丈夫は、一流の大工だった。
二代目の孝会長にとって、師匠で父であったこの人は、
どんな存在だったのか。
〈左が半纏を着た初代。右が二代目〉
||インタビュー 孝会長、初代を語る||
若い頃は、船乗りになりたくて、専門学校へ通い、
無線を習ってたよ。でも、親父が大工の仕事を
無理やり継がされた。
60年前だから、職業は親が決める時代だったしね。
だから、毎日が嫌で嫌で仕方なかった。
最初3年間は、朝から晩まで現場のゴミの片付けを
ひたすらやらされた。
その上、「仕事は盗め」と、まったく教えてくれない。
教えてくれないんだから、自分で覚えるしかない。
朝は職人が来る前に来て、夜は帰った後に残って、
彼らの手がけた技を観察する。
「継ぎ手は、仕口はこう刻むのか」と
苦労しながら学んだ。
先輩の職人は、自分の腕に誇りがあり、
技を競うところがある。
それもあってか、新米には厳しい。
仕事をやればやったで、「やりなおせ」とくる。
分からないところを、教えてくれる人もいるにはいる。
でも、聞いた直後はできても、長続きしなかった。
盗んで、体で覚えたものは忘れない。
オレはもう80歳で、
40年は自分の手で家一軒建ててないが、
「今、家をつくれ」と言われたら、つくってみせるよ。
(文責/ライター上田隆)
東京都中野区の河合工務店が自然素材での健康住宅設計やリフォームについて書きます。
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