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初代に、無理やり大工を継がされて

初代のこと4-1】

<4回シリーズ>

こんにちは、河合工務店です。

初代の故・河合丈夫は、一流の大工だった。

二代目の孝会長にとって、師匠で父であったこの人は、

どんな存在だったのか。

〈左が半纏を着た初代。右が二代目〉

||インタビュー 孝会長、初代を語る||

若い頃は、船乗りになりたくて、専門学校へ通い、

無線を習ってたよ。でも、親父が大工の仕事を

無理やり継がされた。

60年前だから、職業は親が決める時代だったしね。

だから、毎日が嫌で嫌で仕方なかった。

最初3年間は、朝から晩まで現場のゴミの片付けを

ひたすらやらされた。

その上、「仕事は盗め」と、まったく教えてくれない。

教えてくれないんだから、自分で覚えるしかない。

朝は職人が来る前に来て、夜は帰った後に残って、

彼らの手がけた技を観察する。

「継ぎ手は、仕口はこう刻むのか」と

苦労しながら学んだ。

先輩の職人は、自分の腕に誇りがあり、

技を競うところがある。

それもあってか、新米には厳しい。

仕事をやればやったで、「やりなおせ」とくる。

分からないところを、教えてくれる人もいるにはいる。

でも、聞いた直後はできても、長続きしなかった。

盗んで、体で覚えたものは忘れない。

オレはもう80歳で、

40年は自分の手で家一軒建ててないが、

「今、家をつくれ」と言われたら、つくってみせるよ。

(文責/ライター上田隆)

 

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