シックハウス問題から、減農薬のい草畳を
こんにちは、河合工務店です。
机の上に、稲わらを使った畳と、
化学床の畳のサンプルが2つ。
「ズシリとして、いい手触りですね」と
前者を褒めるなり、MORITA企画代表の森田茂喜さんの
恵比須顔がパッと輝き、「畳愛」のスイッチが入る。
力説するのは、もちろん、人生と社運をかけた、
「減農薬い草の畳」のことだ。
同社は神奈川県大和市にある畳販売店で、
東京、神奈川、千葉、埼玉の畳屋さんと連携して、
体に優しい「本モノ」の畳を販売。
森田さんは、河合工務店の稔社長と意気投合し、
建築業者の有志でつくる
「自然住宅・安心家づくり会」の
メンバーとなっている。
<手前が、減農薬のい草畳。
奥が、ボードを入れた化学畳>
「出回っているのは、この中国産のイグサの入った
安い化学床の畳です。和畳が30キロとすれば、
化学畳は10キロ。畳屋さんがお客さんの家に運ぶのに、
前者は6回、後者は2、3回ですむ。
高齢化が進む畳屋さんは、化学床の畳をススメますよ」。
森田さんが、売りやすい化学床の畳を
ススメないのはなぜか。
「1990年代の中頃、シックハウス症候群という
健康被害が社会問題になりました。
壁のビニールクロスなどの新建材に使われている
ホルムアルデヒドという化学物質が揮発して、
多くの住み手を化学物質過敏症にしてしまいました。
大学の先生が新築を調べたら、
和室が一番良くないという結果が出ます。
どうも畳の表面のい草と、中のわら床の間に入れた
防虫シートが、体にダメージを与えていた。
畳のせいで、人は、防虫剤の上に
寝ていたことになります」。
そこで、「大地を守る会」住宅チーム
(後の「オイシックス・ラ・大地」)と提携し、
防虫・防カビ加工をしない極力農薬を
使わないい草を使った畳を販売し、
現在に至っている。
(文責/ライター上田隆)
<MORITA企画代表の森田茂喜さん>
10:00~19:00(月~土)
ご来店予約は日・祝も承ります