初代の戦争体験の語りが、社会活動のきっかけ
2021年11月19日
初代のこと
【初代のこと4-3】
<4回シリーズ>
こんにちは、河合工務店です。
〈仕口を削る初代の手。ごつごつした指に、
職人としての風格漂う〉
||インタビュー 孝会長、初代を語る||
「あの戦争さえなければ、道具が焼けなかったのに」。
これが親父の口癖だった。
空襲に備えて土に埋めたが、焼夷弾の火事で
焼けてしまったね。
ノコギリ、カンナは金属だから火に弱い。
砥石をダメにしたのは、ひどくこたえていた。
「あれだけいい道具をつくる職人は、
もういない」と嘆いてたな。
若い頃、親父からそんな話を聞いて、
戦争について、いろいろ考えるようになった。
アジアで、日本で、
膨大な犠牲者が出たことを後で学び、
衝撃を受けた。
それで、戦争や貧困のない社会を
つくりたいと思って。
結婚する前、27、8歳の頃は、社会運動をやっていた。
真面目に働いても報われない人、
貧困から抜け出せない人などを目の当たりにして、
社会の矛盾を感じ始めてね。
東京土建の組合活動にも参加して、
職人の地位向上を目指す運動もやった。
親父は、そのことについては何も言わなかった。
こちらにしても、活動で夜遅くなっても、
朝寝過ごして、仕事に遅れるというちょんぼは
絶対にしなかったしね。
一本立して、オレが社長になってからも、
あれこれと口出しすることはなかったなぁ。
(聞き手/ライター上田隆)
東京都中野区の河合工務店が自然素材での健康住宅設計やリフォームについて書きます。
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