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カーブ曲がり切れず、宙を舞う…そして、生還

【孝会長、モノ申す2】ハーレー珍道中記2

<2回シリーズ>

こんにちは、河合工務店です。

アメリカ南西部の荒野に伸びるルート66を、

現地レンタルしたハーレーにまたがりぶっ飛ばす

孝会長の旅は爽快だった。

「いつも130キロで走ってた。

道は広くて、車もまばらだからそれができる。

ハーレーは、やっぱりアメリカに

一番ふさわしいバイクだと思ったよ。

日本じゃ、ちょこっとエンジンをふかしゃぁ、

すぐに信号。あちらは、『永遠』にかと思えるほど

まっすぐだもの」。

しかし、その道には「深淵」もあった。

スタートから2日目、事故ってしまう。

「あれにはまいったね。なんか魔がさしたというか。

ちょうど雨が降っててさ。

いつもの速度で、けっして飛ばしてたわけじゃない。

まっすぐな道に、緩やかな上りの左カープがきた。

だけど、なんか金縛りにあったというか、

曲がれない…。

そのまま道の外に2、3メートル放り出されて、

ど~んと下に落ちたわけよ。

落ちたところが、たまたますごく柔らかな

砂地だった。普通、岩があったりするのに…」。

仲間が慌ててかけつけ、おいかぶさったバイクを

起こして、孝会長を救出。

意識もはっきりしていて、手足も動くので、

その日は、次の宿泊先までみんなとツーリング。

以降、バイクの旅からは1人抜け、ホテルで療養。

5日後、仲間と合流して帰国した。

<赤い大地にまっすぐのびる「ルート66」>

自宅に帰って、2日間、寝ても咳が出て、

寝返りすればとても体が痛む。

家族に事故を起こしたことを

別に言うわけでもなく、お茶を飲んでると、

「あんた、その手、どうしたの?!」と、

妻の春子さんが驚く。

見れば、孝会長の手は紫色になって腫れていた。

翌日の午後、病院に行ったら、

肋骨が4本折れていて、

指も骨折と判明。医者があきれた。

「痛ぇわけだよね、考えてみれば。

帰りの飛行機内の9時間も、つらかったはずだよ。

打ち身だと思ってたから、たいしたこたぁないと。

…入院? そんなのしないよ。

ギブスで治すしかないから。

まあ、そんなでね、

みんなにもえらい迷惑かけちゃったし。

現地で病院に行ったら、

もっとすごい騒ぎになってたろうなぁ…」。

身を持って知ったことがもう一つ。

「アライヘルメットをしてたのが良かった。

結構高いんだけど、それをかぶってたから、

頭は別になんともなかったし」。

(文責/ライター上田隆)

 

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